(2001/12/ 8)
(1998/ 3/24)
(2001/12/ 8)
完成後、初めて訪ねてきました。ちょうど
「三岸節子・秋野不矩展」
を開催中で、同世代を生きた二人の女流画家の作品を並べた見られたことは幸運でした。油絵の三岸、日本画の秋野、いずれも劣らぬ色遣いの名手です。
建物は先に見学したときとほとんど変わっていないことは当たり前ですが、赤や黄など鮮烈な色合いが多い両氏の作品を見るには、柔らかく明るい天空光は最適に感じます。ホールの白い壁と煉瓦もうまく調和しているように感じました。
次は是非、秋野不矩美術館を見てみたい。
土蔵
南エントランス
館内ホール
(左右に展示室、奥に喫茶室がある)
(1998/ 3/24)
尾西市で地元出身の洋画家・ 三岸節子を記念する美術館がその生家の地に建設が進められています。工事は概ね完了し、現在、今年11月の開館に向けて、展示等の準備中ですが、市役所の方の好意により、今回見学をしてきました。
場所はかつて名鉄電車も通っていた一宮市への幹線道路から一区画北に入ったところで、生け垣の路を通りながら近づくアプローチはなかなか雰囲気があります。また周囲にも蔵や寺院などが多く残っています。
生け垣のあるアプローチ 南隣の蔵 東隣に残る蔵と美術館
設計は地元名古屋の浦野設計。8者程度の指名コンペにより選定されましたが、これだけの力量があったとは正直驚きました。全体的には、生家にあった蔵を残し、周辺に本館棟と常設展示棟を配しています。土蔵展示室は構造体を残しつつ、外装・内装とも改修をしていますが、特に室内側にひびやささくれが歴史を感じさせる無垢のままの梁や屋根裏を剥き出しで見せているところがいいです。ここは三岸節子の生活雑貨等を展示する予定だそうです。この白い壁と対照的に廻りに配される各館は、煉瓦積み、又は煉瓦調タイルの外壁で、屋根には地場産業の毛織物工場の鋸屋根をイメージした白い金属パネルの勾配屋根が載っています。この美術館では三岸家の希望もあり、自然光を多く採り入れる工夫をしており、本館・常設展示棟をつなぐエントランスホールだけでなく、常設展示室にもトップライトを採用し、柔らかい光が落ちるようになっています。ただし、シェードで光を和らげるほか、開閉できる仕組みを組み込むなど、作品への影響には細心の注意が注がれています。
土蔵展示棟室内
常設展示棟室内
屋内は、入って奥に拡がる明るいエントランスホールの左手に、短い廊下を通じて常設展示室と、さらに奥に土蔵展示館が並び、右側本館は1階が講義室と事務室・収蔵庫等、2階に企画展示室と実習室等が並びます。エントランスと常設展示棟との間にはせせらぎが流され明るい空間にさらにくつろぎを感じさせます。また2階へ上がる階段もエントランスを見下ろしつつ気持ちが良い空間となっています。
全体で約2,400m2・2階建てと小規模ながら、地域の特色を生かしつつ、しかしやたらと伝統的な素材に流されず、都会的なセンスの下にきれいにまとめられた秀作と感じました。尾西市は美濃路起宿の街道沿いだけでなく、戦後、毛織物で大いに賑わった近代の歴史が、鋸屋根の工場や経営者の大きな家屋、蔵、茶室などとして今もまちのあちこちに多く残るところです。中世から近代にかけての歴史とこれら建築資産とが有効に活用される中でまちづくりとして結実していく、この美術館がそんなまちおこしの発信源となっていくといいなあ、それだけの魅力を備えた建物ができたと思いました。
「美濃路街道」
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