
中山道・奈良井
平沢
|  |  |
(2000/ 9/25)
今年も秋の訪れとともに行ってきました、奈良井。今年は少し足を伸ばして、漆漆器のまち「平沢」を歩いてきました。奈良井からわずか5分。国道を脇に逸れるとそこは、漆器の店が並ぶ木造の街並み。通りがゆるく湾曲し、それに垂直に面するのでなく、あくまで方位を守った造りをしているため、妻面がきれいに並ぶ景観は独特なものがあります。けっして観光客を当てにしたまちづくりをしているわけではないので、鉄骨造や看板など近代的な建物も多く散見されますが、深く伸びる路地や通りに面した緑が、秋の木曽路の涼しげな雰囲気を醸し出しています。それにしても、こんな片田舎でこれだけ多くの漆器店が営業していけるというのは、どうしてなんでしょうか。漆器を買った店の老夫婦はとても上品で親切でした。
奈良井ではいつものように「徳利屋」で、ごへいもちと栗ぜんざいを食べ、街並みを歩いて来ました。鍵の手にある民家がまちなみ保存の事務局として復元され整備されていましたが、特別、展示等はしていないようです。各家々の玄関先に、「わが家の宝物」と書かれた額が飾られ、写真と簡単な開設が添えられていましたが、それを一つひとつ読みつつ、今でこそ田舎となってしまったけれど、奈良井の盛時の豊かさ、いや今もこうした歴史を持ち続けていることの豊かさを感じていました。
(99/11/23)
奈良井は中山道・木曽路の北の端、鳥居峠を越えた北にある。結婚した年の秋というから、もう20年も前に、中山道を馬籠・妻籠から始まって、三留野、上松、木曽福島、薮原と国道19号線を北上したことがあった。その後も何度か足を伸ばしたことがあったが、子供の誕生とともにしばらく足が遠のいていた。昨年久しぶりに、妻籠、木曽福島、奈良井と訪れ、特に妻籠ではちょうど「文化文政風俗歴史絵巻行列」が開催されており、江戸時代の装束に身を包んだ町民参加の行列道中を楽しむことができた。今年もまた秋、紅葉のきれいなシーズンがやってきて、待ちかねたように再び、中山道を北上することにした。
当日は出発がやや遅れたので、妻籠を飛び越して木曽福島へ直行。今年も歴史絵巻行列をやっていたようで、それを見られなかったのは少し残念だけれど、また来年のお楽しみ。今年は奈良井がメインの予定。木曽福島ではこれもお決まりの「くるまや」のそば。やはりうまいね。「くるまや」は町中の本店と国道沿いの支店、それに中津川にも1店舗支店があるけれど、やはり本店でなくっちゃ!。
そんなこんなして、鳥居峠を越えてようやく奈良井に到着。奈良井は中山道の旧宿場町。今では伝統的建築物群保存地区に指定され、妻籠に並ぶ歴史的景観の町並みとしてよみがえっているが、今から20年の前に訪ねたときは、看板や電柱が目立つ古ぼけた町並みだった。昨年久しぶりに訪れた際、そのあまりの変わり様にびっくりしたが、改めてこうした町並みの中に身を置いてみると、現在のような雰囲気も悪くない。通りは川と山に挟まれゆるやかに曲がり、途中に1ヶ所、鍵の手になったところがあってアイストップとなっている。また3ヶ所ある水場では今も豊富に水が流れ落ち、雰囲気を醸し出している。火の見櫓や街道に面して植えられた樹木もいいし、店前に飾られた花や実がまたうれしい。広い道路と緑の樹木、濃い茶色の家屋、そして背後の紅葉した山並みが、妻籠などとは違った伸び伸びした感じを抱かせる。
それぞれの家には屋号がある。途中寄った木曽福島では、各家に「○○屋」と書かれたちょっと無粋な看板が取り付けられていた。ここ奈良井でもいくつかの旅籠やお店が○○屋と昔ながらの屋号で店を出しているが、その中でもお気に入りが「徳利屋」さん。郷土資料館も兼ねているが、今はあまりそれを見に来る人は少ないみたい。ミセを入り格子戸を開けると土間が続き、左に囲炉裏を切った部屋とさらに奥には座敷が連なる。この囲炉裏端でいただく「ごへいもち」が最高!奥三河地方によくある平らな小判状のものではなく、直径6cmほどの低い円筒形のおもちが3つ皿の上に並び、それぞれ黒ゴマ、クルミ、山椒みそがかかっている。一緒に出してくれる白菜の漬け物とお茶をすすりつつ食べる味は本当に幸せ。これに栗ぜんざいと、今回は甘酒も頼んで、身も心も大満足。甘酒も麹だけで作った自家製とのこと。実はここへは20年前に寄って以来、何度も足を止めている。前回来たときに囲炉裏端でくつろいでいたら小学1年くらいの娘さんが帰ってきて、私の膝の上で遊んだことがあった。昨年来たときにその話をしたら、当の娘さんももう中学生か高校生か、恥ずかしがって顔を見られなかったけれど、今回は隣の客の所へお茶を運ぶ姿を見られて、なんとなく嬉しい気分。うちの子ももう小学生になっています。
ゆっくりくつろぎふと外を見ると小雨。おみやげにおやきを買い、また中津川では季節の味覚「栗きんとん」を買って家路につく。これからの年中行事になりそうな中山道木曽路・奈良井の宿でした。