登米町 みやぎの明治村

 警察資料館



(98/07/15)
 仙台で会議出張があったついでに、宮城県北部に位置するみやぎの明治村登米町(とよま)を訪ねてきました。北上川の中流に位置する登米町は、800年前に築城され、その後、伊達一門2万1千石の城下町として明治維新に至り、明治以降は舟運の要所として栄えました。現在でも蔵造りの商家や武家屋敷の立派な門構えが町のあちこちに残り、当時の繁栄の面影が残っています。
 我々はまず、国の重要文化財・旧登米高等尋常小学校の教育資料館を訪ねました。この建物は明治21年建造の木造2階建ての洋風学校建築で、左右対称のコの字型の平面の中心に構える2階バルコニーとその脇に植えられた柳の木が印象的です。昭和40年代まで現役で使用されていたという校舎は、各教室がそれぞれの時代を伝えるような展示がされ、きれいに保存がされていました。
  
 また続いて訪問した「登米町伝統芸能伝承館 森舞台」と題する施設は、隈研吾設計の新しい建物。正面からは細い面格子に隠された中には、松の緑も鮮やかな能舞台が設けられ、この廻りに鉄骨造の渡り風の観覧席と屋外観覧席が囲んでいます。裏手は森。舞台下に埋けられた大きな瓶の音響効果が楽しみです。
 さて戻って、水沢県庁記念館へ。役場前の通り・前小路は水路沿いにきれいに整備され、この通りに面して右手にこの建物があります。建物としてはこじんまりとしたやさしい感じ。明治4年にその名のとおり、県庁舎として建てられ、その後は小学校や裁判所として利用されたその姿は、鳥居状の威厳のあふれた門と立派な玄関が風格を感じさせます。また通りの左手には武家屋敷「春蘭亭」が公開されています。黒光りする梁を見上げつつ、地元の主婦の方が煎れた抹茶をいただきながら、囲炉裏端でしばしの休息を。
  
 ところで、この町役場前の前小路には、春蘭亭だけでなく、元武家屋敷の豪放な門構えの民家と、土地産の天然スレート(玄昌石)で葺いた築地塀や土塀が並びます。また通りの突き当たりは鈎の手に曲がり(その名も鈎形小路)、城下町だった頃の名残りを感じさせます。
 そのまま通りを抜け、商店街の角にあるのが警察資料館その名のとおり、旧登米警察署庁舎で、木造2階建ての建物は非常に手入れよくきれいに保存されています。資料館内部にはパトカーや警官の制服などが展示され、また留置所も再現されています。案内の女性の方に丁寧に説明をいただき、かつてはここが舟運の港として栄えたこと、今も警察が守る重要建築物の一つとして指定されていることなどを教えていただきました。寄せ棟桟瓦葺きの屋根に板張りクリーム色の外観は通りの角にあって見事な景観を呈しています。また北上川と平行に走る三日町・九日町の商店街には擬洋風や蔵造りの商家・店舗なども散見されました。
 こじんまりした街に、落ち着いた風情で保存状態の良い建物が散在し、それを地元の方が緩やかな時間の中で落ち着いて対応してくださる。そんなホスピタリティの高さを実感したまちなみ見学でした。




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