福島県郡山市営住宅「富久山ふれあいタウン」を訪ねて
−シルバー・ハウジング・プロジェクト団地
 (1996/10)
 昨年の10月にタイトルの市営住宅を見学してきました。
 この団地は、高齢者向け24戸(単身向け12戸・世帯向け12戸)、一般向け26戸、計50戸の公営住宅で、高齢者向けにシルバーハウジング・プロジェクトを実施するとともに、デイサービスセンターも併設をしています。
 シルバーハウジング・プロジェクトとは、高齢者の身体面・精神面の機能の低下に配慮し、住宅を段差の解消、手摺、緊急通報システム装置の設置等、高齢者の生活特性に配慮した設備・仕様とし、併せて高齢者の生活支援を図るため、相談室やだんらん室等から成る高齢者生活相談所を整備するとともに、高齢者に対する生活指導・相談、緊急時対応等の生活を援助をするライフサポートアドバイザーを一人配置した、ケア・サービス付きの住宅供給システムをいいます。昭和62年度から建設省で実施されており、全国では7年度末現在で118団地、2,808戸が建設されています。
 愛知県でも7団地が既に建設されているわけですが、私個人としては、県内の団地を未だ見たことがなく、今回、遠く福島県の団地を見学させていただいて、大変参考になりました。
 住戸は原則1階(一部段差を生かして2階も)を高齢者向けとし、スロープ設置等バリアフリーに配慮するとともに、1階の玄関周りにベンチ等を置いたコミュニティスペースを設けています。
 またデイサービスセンターは、公営住宅だけでなく地域の高齢者福祉の拠点として、ホームヘルパーの派遣拠点となるほか、給食サービスのための厨房や食堂、休憩室、機能回復・運動訓練室、浴室、趣味活動室、陶芸室及び屋上のゲートボール場が配置され、また併設してシルバーハウジングプロジェクトの高齢者生活相談室が設置されています。
 緊急通報システムとしては、居室・トイレ・浴室に緊急通報ボタンが取り付けられ、万一のときに、デイサービスセンターに通報されるとともに、在室していて12時間トイレが使用されない、又はドアの開閉がない場合にも、デイサービスセンターに通報されることとなっており、また夜間・日祭日等で職員がいないときには、近隣の南東北病院に通報が回る仕組みとなっています。
 住宅のデザインは、高低差のある敷地内に5棟に分かれて建設され、それぞれ大屋根の下に1・2階が4戸、3階が2戸配置され、スロープやデッキでつながれている、暖かみのあるデザインとなっています。
 公営住宅の建替ということで近隣住民との関係とか、高齢者仕様の設計にあたっての苦労、例えばペースメーカーをつけた方の住戸には電磁調理器は不適当であったとか、様々な話も伺えましたが、公営住宅の今後の方向を示す好例の一つとして、大いに感心してみてきました。



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