木附の里/長屋建てコーポラティブ

 東側正面



(95/09/11)
 愛知県春日井市に「木附の里」という長屋建てコーポラティブ住宅があります。95年7月にこの住宅の設計・コーディネーターをやられた、(有)アトリエ・プランニングの寺島靖夫さんから話を聞く機会がありましたので、ご紹介します。
 当初、この敷地の話が持ち込まれたときは、間口が非常に狭く、自衛隊基地に接していることから、接道・排水などもなかなか困難で、資材置き場くらいにしかならないだろう、ということだったそうですが、なんとかこの土地を住宅地としたいということで、長屋建て、しかも通常の均一な住戸を並べるのは困難ということでコーポラティブを思い立った、ということでした。
 しかし、高蔵寺NTという5万人からが住んでいる地区の隣接地で、チラシ等でPRしたにも関わらず全く応答がなかった、というのは、コーポラティブそのものが知られていない、ということに加えて、住宅購入時におけるコミュニティに対する意識(忌避するとか、考えたくないとか)が表れているのでは、と思います。結局、工務店だか設計事務所の縁だかから知った医師が、病院関係者に声をかけ、そこから一気に10人が集まった、ということでした。
 結局、全く赤の他人ではなく、友達の友達では知らない人はいるかもしれないけど、ある部分では既にコミュニティがあった、ということですね。このあたりは、コレクティブ・ハウスに通じるものがあるかもしれません。
 メンバーが集まった後は、設計者としての苦労はかなりあったようですが、例えば共通化によるコストメリットを活かす、とかは考えなかったかと聞いたら、「それをやったらコーポラティブのメリットがなくなる」と《何がなんでも自分流の空間づくり》をけっこう追求したようです。
 OMソーラーも導入した人が10人中4人で、設計者としてはけっこう勧めたようですが、最後の決定権は施主に求めた、ということでした。コーポラティブでは特にそれが大事だ、ということのようです。
 空間に自分をあわすのでなく、自分に空間を合わせたい、という欲求が私にはあります。「何がなんでも」の程度でしょうが、住宅に愛情を込める、それの延長上に近所付き合いがある、というコーポラティブの仕掛けは素晴らしいな、と思っています。
 共同住宅のように自分の内側に閉じこもるのでなく、戸建て住宅のように外に対し暴人無若になるのでもなく、自分の行為が共同体のあり方を思い起こさせてくれる、というそんなさりげない仕組みがいいですね。

注意:「木附の里」は一般の住宅で、現に生活されている方が見えます。勝手に敷地内や建物内に入ることは違法行為になりますのでご留意願います。


(1997/3/23)
 その後、ひょんなことから、寺島さんとパソコンを通じて意見交換をする機会がありました。
 最近は、第2、第3の「木附の里」を実現すべく、少しづつ住まい方・住まいづくりの活動を行っているようです。
 そうした活動の一つとして、熊本などでいくつかのコーポラティブ住宅を実現しこの分野でのリーダー的存在である延藤安弘先生の指導の元に、住まい手自身による住まいづくりを勉強をしている「安住の会」という組織があり、これにも積極的に参加しています。この会は生協連合会職員である今村さんを中心に活動をしており、見学会や勉強会を行っているようです。こうした活動に興味がある方、自分も参加してみたいという方は、ホームページへアクセスしてみてください。
  「安住の会」のホームページへ

  「木附の里」のホームページが公開されていました。どうぞアクセスしてみてください。。




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