
住宅マスタープランって何?
「住宅マスタープラン」ってご存じですか?
知っているって方は住宅行政に関わる公務員か専門家くらいでしょうか。簡単にいえば、県や市町村の住宅施策に関する総合的な計画ということになりますか。ここでポイントは、あくまで「行政が住宅施策を講じていくにあたっての行政計画である」ということです。ですから基本的に市民によって策定される「まちづくり計画」等とは性格が違いますね。しかし一方で、ほとんどの市民は住宅に住んでいるのですから、住民(住まい手)と切り離してはありえないことも確かです。全国的に見渡せば、住民参加の下でワークショップ等を行いながら策定される住宅マスタープランもあります。しかし愛知県内では、豊明市で相当に住民参加を意識した計画策定が行われた以外には、残念ながら事例は少ないようです。もちろん住民アンケート等は多く行われていますが、あくまで「行政計画である」という部分が、この大きな原因だと思われます。
「住宅施策」に関する計画ですが、その対象となるのは非常に広い。まず第一にハードとしての「すまい」をどうしていくかという視点があります。これにはフローとしてのこれから建設される住宅だけでなく、既存の住宅の安全性や快適性をどう向上させていくか、ということも含めて考えていく必要があります。また第二に、「くらし」を支える容れ物としての住宅をどうしていくかという視点があります。世帯増にどう応えていくかといった量の問題や高齢化・ライフスタイルの変化等への対応など、どういう住宅を供給し、また誘導するのかという視点です。また「住まい手」との関係もこの視点の一つとして捉えられるでしょう。そして三点目が「まち」の一部としての住宅又は住宅と一体のものとしての住環境への視点。まちづくりに向けて住宅施策も一定の貢献が求められています。最後に地域産業としての視点。地場産業としての林業の存在や大工・工務店の育成など、住宅産業を地域経済の一つとして捉える視点も重要です。
これらを実現する住宅施策のメニューとしては、従来、公営住宅などの直接供給が柱とされていたこともあり、必ずしも十分とは言えませんが、市町村レベルではこうした国・県レベルの施策メニューを超えた意識と取り組みがなされつつあります。こうした動きを、愛知県内の住宅マスタープランの策定過程などを通じて紹介することができればと思っています。