豊橋市 の住まいづくり

豊橋の顔・市電


 豊橋市は人口37万人を抱え、東三河地域の拠点都市として発展を続けています。駅ビルの建設やベデストリアン・デッキの整備等により着々と市としての顔を整えるとともに、これら工事に伴い、全国的にも珍しい市電路線の延伸をしたことでも注目を集めました。また近年は、三河港の自動車輸出入高が全国一を記録するとともに、郊外部に広がる農地からの農業生産高も非常に大きいものがあります。
 比較的豊かで気候も温暖な土地柄ゆえ、こと住宅施策についてはどちらかというと石橋を叩いて渡る気風があった豊橋市ですが、最近はかなり様相が変わってきました。平成12年度に住宅マスタープランを策定し、それと前後して、コレクティブ住宅の建設や環境共生型市営住宅の建設など、積極的な施策が注目集めています。

 旭本町高齢者住宅
 柳原住宅外壁塗り替え工事


 旭本町高齢者住宅 (2001/ 9/ 7)
 旭本町高齢者住宅は、豊橋市の中心部に近い地区にあった昭和26年建設の老朽化した市営住宅を建て替えたもので、鉄筋コンクリート造2階建て、1DK4戸、2K4戸、計8戸のこじんまりとした市営住宅です。神戸等では既に取り組み事例があるものの、この地域では初めてのコレクティブ住宅として注目を集めました。
 1階に談話室と住戸が3戸、2階には丸く張り出したバルコニーを抱えて4戸の住戸が並んでいます。住棟の入り口に玄関があり、そこで靴を脱いで談話室や各住戸に上がる形式は、施設のようでもあり、アットホームな雰囲気です。また通路や談話室には、地元三河産のヒノキの床にスギ板張りの腰壁と木材がふんだんに使われ、暖かい感じがします。また各住戸へは2階建てながらエレベータが設置され、緊急通報ボタンや水監視システムが完備、また全戸オール電化住戸となっています。

 建設にあたっては、地域住民の方々に呼びかけワークショップを行い、談話室の間取り等を決めていきました。また入居者は完成の半年近く前には公募・決定し、その後地域の方々も交えた交流会と談話室の使い方に関するワークショップが開かれました。この談話室には市も力を入れ、上下調節が可能な大型の電磁調理器に冷蔵庫や食器棚、テーブル、電磁治療器「ヘルストロン」等を設置しています。またソーラー発電を利用したエアコンや冬には床暖房も整備され、和室もあって、非常に居心地が良さそうです。
 この談話室の使い方については基本的に住人及び町内会に委ねられ、神戸のようなコレクティブ応援団といった組織は特段ないようですが、ボランティアグループによる胡弓演奏会も開かれるなど、それなりに機能しているようです。豊橋という土地柄か、月1,000円の負担で町内会の使用を認め、町内会が積極的に関わっていることがよいのか、今までのところ特にもめ事もなく、非常に順調に運んでいるようです。
 ちなみにこの住宅はシルバーハウジングではありません。市内に県営ではシルバーハウジングはあるのですが、市営としては取り組んでいない。このことについて「お年寄りは若い人の世話になることを必ずしも喜んでいないのではないか。迷惑をかけていると感じ、早く死にたいとつぶやく。むしろ。高齢者同士のふれあいと自立を促す方が大事と考えている」という市の課長の言葉には考えさせられるものがあります。
 現在、8戸の住戸に12名の高齢者が居住しています。2階の通路に置かれた物干し台の前で、「この夏はちょっと暑かったのん」と笑う住民の方々の表情が非常に明るく印象的でした。


 柳原住宅外壁塗り替え工事 (2001/ 9/ 7)
 市営柳原住宅は、外壁塗り替え工事にあたって、豊橋技術科学大学の協力を得て、色彩心理学に基づき、「子供が元気、お年寄りが明るく」をテーマに、5色のグラデュエーションカラーに塗り替えたものです。当日はバスの中からの見学で十分に観察することができませんでしたが、青、緑、赤、黄色と色とりどりに塗り分けられた外観はなかなか壮観なものがあります。色によって「えーっ」と思うこともありますが、全体としては積極的な取り組みとして評価していいのではないでしょうか。
 また平成12年度に工事した西部住宅では、児童公園側を赤系、緑道側を青系のツートン・アクセントカラーで塗り分けたそうで、前に見た前芝住宅も加え、豊橋のカラーリング手法というのは注目に値します。






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